企画展「生誕120年記念 木山捷平展」

平凡に、そしてたくましく生きる人々のいとなみを描き出し、その飄々とした無二の作品世界に根強いファンを持つ小説家・詩人木山捷平。

じつは、その苦悩の青春の一時期を姫路で小学校教員として過ごしていました。父親から文学の道を進むことを猛烈に反対され続けた木山が、個人誌「野人」を創刊したのは、姫路で教師をしていた昭和2年のことでした。その創刊号の後記に「私はひとりぼつちだ」と書いた孤独な青年は、この姫路時代の終わりの昭和4年に、第一詩集『野』の刊行と共についに上京を果たし、本格的な文学活動をスタートさせました。

昭和初期の文壇で頭角を現し始めた昭和19年12月、すでに敗戦の色濃くなった時期に満州に渡り、「百年を生きたほどの苦しみに耐えた」という約1年の難民生活を経て生還した木山。そんな苛酷な満州体験をユーモラスに綴った『耳学問』などにより、世の中がこの作家の魅力に気づいた時、彼はすでに五十代半ばとなっていました。

本展では、木山自身もほとんど何も書かなかった知られざる姫路時代にスポットをあてるほか、井伏鱒二、太宰治など同時代作家との交流、そしてようやく訪れた木山ブームの様相などをたどります。

「駄目も目である」――囲碁好きの木山が好んで書いた言葉です。どんなに辛く苦しい時も文学を手放さず、あえて目立たぬことを好むかのように、ひたすらに庶民の座に腰を下ろして書き続け、生きぬいた一人の男が、日本文学史上まれにみる作家として読み継がれている理由とは―。

生誕120年という節目に、没後50年以上を経ても愛され続ける「木山さん」の魅力にせまります。どうぞご期待ください。

 

展覧会チラシ

企画展「生誕120年記念 木山捷平展」チラシ(ダウンロード用PDF)

 

木山捷平(きやま しょうへい)

小説家・詩人。

明治37年3月26日、岡山県小田郡新山村(現在の笠岡市)に生まれる。姫路師範学校卒。出石の弘道尋常高等小学校で2年の教職義務を終え上京。東洋大学に進むが病を得て中退、帰郷。休養後、昭和2年に荒川尋常高等小学校(現・姫路市立荒川小学校)、昭和3年に菅生尋常高等小学校(現・姫路市立菅生小学校)教師をつとめ再度上京。詩集に『野』(昭和4年)『メクラとチンバ』(昭和6年)があり、のちに『木山捷平詩集』(昭和42年)『木山捷平全詩集』(昭和62年)も編まれた。上京後、小説を書き始め、昭和8年、太宰治らとの同人誌「海豹」に加わる。昭和19年末に旧満州(中国東北)に渡り、翌年の敗戦を迎える。約1年間の難民生活を経て21年に帰国。長く心身の不調に悩まされながらも、「耳学問」(昭和31年)により注目を集め、次第に人気作家となる。戦後、断片的に書き続けた大陸での日々を長編としてまとめた『大陸の細道』により昭和37年度芸術選奨文部大臣賞受賞。昭和43年8月23日、食道ガンにより64歳で他界。

 

展覧会概要

会期 2024年2月17日(土曜日)から4月14日(日曜日)まで

休館日 毎週月曜日、3月21日(木曜日)

開館時間 午前10時から午後5時(入館は4時30分まで)

会場 姫路文学館 北館

観覧料 

(3月31日まで)  一般310円、大学生・高校生210円、中学生・小学生100円(常設展料金)

(4月1日から) 一般450円、大学生・高校生300円、中学生・小学生150円(常設展料金)

2024年度より、常設展料金の改定を行います。何卒ご了承ください。

  • 身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた方(手帳またはミライロIDの手帳画面を提示してください)、及び介護者1名は無料。
  • 20名以上の団体は2割引
  • 常設展示も観覧可

協力 吉備路文学館

主催 姫路文学館

 

関連イベント(詳細および参加方法は各イベントのページをご覧ください)

展示解説会

日時 2024年2月25日(日曜日)午後1時30分から午後3時まで(開場は午後1時)

講師 担当学芸員

会場 姫路文学館 講堂(北館3階)

世田谷ピンポンズライブ 木山捷平をうたう―おき忘れた下駄に雨がふる―

日時 2024年3月24日(日曜日)午後2時から午後3時30分まで(開場は午後1時30分)

出演 世田谷ピンポンズ

会場 姫路文学館 講堂(北館3階)


イベント詳細

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